[ 政治・経済 ]
(2018/1/20 18:30)
防衛省は、サイバー攻撃への対処力を強化するため、同省の情報通信ネットワークに人工知能(AI)を導入する方向で検討に入った。悪意のあるソフトウエア(マルウエア)の分析を効率化し、対応を迅速化するのが狙い。
2018年度から2年間かけて、米国やイスラエルなどのAI先進国を調査し、AIを活用したソフトウエアの試作研究を実施、20年度にも導入したい考えだ。18年度予算案には、調査研究費8000万円を計上した。
具体的には、AI技術の一つ「深層学習(ディープラーニング)」を活用する。年間100万件を超えるサイバー攻撃のデータに基づき、過去に出現したウイルスやウイルス対策ソフトの登録情報の傾向や共通点を分析し、攻撃を受けた際にウイルスを識別する。
ウイルスの検知率向上につなげるほか、未知のウイルスへの対応や将来の攻撃予測などにも役立つことが期待されている。
サイバー攻撃は年々、高度化している。防衛省は24時間体制でシステムを監視する「サイバー防衛隊」約110人を編成、サイバー攻撃をパターン化したリストを作成し、通信時に照合しているが、ウイルス識別の時間短縮が課題となっている。(時事)
(2018/1/20 18:30)