処理能力1000倍のＡＩ搭載半導体、ルネサスが３年後に製品化へ

ルネサスエレクトロニクスの横田善和執行役員常務は３０日、日刊工業新聞などのインタビューに応じ、処理能力を現状に比べて１０００倍高めた産業機器向け人工知能（ＡＩ）搭載半導体を３年後に製品化する方針を示した。振動など産業機器で取得したデータを使ったリアルタイム学習から、推論までできるようになる。２０２１年頃にはＡＩ搭載半導体の売上高を１００億円規模に伸ばし、本格的な収益化を見込む。

横田執行役員常務は「動作しながら賢くなる産業機器を実現できる」と展望を説明した。１８年央に性能が現状比１０倍の産業用マイコンを発売し、順次、回路の微細化などで性能を高めていく。

ＡＩ搭載半導体関連では、異常検知などのＡＩ機能を外付けできる「ＡＩユニット」をすでに製品化した。これを含め、産業機器やビルオートメーションなどの分野で計８０社と商談を進めている。横田執行役員常務は「機械組み立てや食品工場といった汎用装置まで市場を広げる」と意気込んだ。