[ ICT ]
(2018/2/3 01:30)
法人向けモバイルコミュニケーションツールのAOSモバイル(東京都港区、原田典子社長、03・6809・2555)は、2019年をめどにアジアに進出する。ビジネスのコミュニケーション手段として、チャットへの注目が増す中、ネットワーク、端末データ、サーバ側データベースのすべてを暗号化し、情報漏えいなどのリスクを限りなくゼロに近づけた独自のビジネスチャットアプリケーション「InCircle」を拡販する。今後、進出先など詳細を決める。現地で円滑にビジネスを進めるためのパートナー探しも加速する。
進出先を絞り込み
原田社長は「製品の付加価値もさらに高め、しっかり準備した上でアジア展開に乗り出す」とし、現地で一気に打って出られるよう万全を期す構え。
LINEなどのメッセージアプリが普及したことでチャットによるコミュニケーションが浸透し、ビジネスの現場でも、従来の電話やメールに代わるツールとして、チャットアプリがますます利用されるようになってきた。AOSモバイルはこうした状況を追い風にアジア展開に乗り出す。
年内に進出先を絞り込む。アジア域内の国・地域でそれぞれ求められる情報セキュリティーのレベルをはじめ、競合他社の有無などを調べ、それを踏まえて進出先を決める。現時点で、シンガポールやマレーシアなど複数の国が候補に挙がっている模様。さらに候補に挙がった進出先に詳しいパートナーを国内外で探し、拠点を置くか、販売代理店にするかなど詳細について話し合っていく計画。
原田社長によると、情報セキュリティーに関する考え方は国によってさまざまという。「たとえ情報が漏えいしても(当社のビジネスチャットアプリのようなツールを導入するよりも)罰金を支払った方がコストが安いという考え方をしている国もある」。
ビジネスチャットアプリの付加価値も高める。チャットで頻繁に使われているキーワードを取り出し、それを人工知能(AI)で解析するサービスを提供する。解析を通じて導入企業が社内の雰囲気などを把握できるようにし、働き方改革などを後押しする。現在、開発を進めており、早ければ今春にもリリースする。
強みの暗号化技術いかす
AOSモバイルのビジネスチャットアプリはセキュリティーレベルが高いところが強み。端末、通信、データベースの3段階で暗号化し、情報の盗難・紛失、盗聴、ハッキングといったリスクを徹底的に抑えたという。
原田社長によると、「(AOSモバイルを含む)AOSグループは、犯罪捜査や裁判で証拠として使われるデータの復旧などに実績があり、そこで必要になる暗号解析や暗号化に関する技術や知見をセキュリティーに生かしている」。
LINEのような操作感覚で使いやすく、さまざまな業務システムと連携しやすいほか、"お決まりの問い合わせ"にはロボットが自動で応答する「チャットボット」を実装しているところも売りだ。導入(1ユーザー当たり)月額180円。バッファロー・IT・ソリューション、JFEエンジニアリング、りそな銀行、日立システムズなど、多様な企業に採用されている。
ビジネスを想定したチャットアプリについては、AOSモバイルのInCircleをはじめ、チャットワークの「chatwork」、ワークスモバイルジャパンの「LINE WORKS」、米スラック・テクノロジーズの「Slack」などがあり、各社しのぎを削っている。AOSモバイルはAOSテクノロジーズの子会社として15年に設立。InCircleのほか、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)を使った法人・団体向けソリューション「AOSSMS」を提供している。
(2018/2/3 01:30)