[ オピニオン ]
(2018/2/14 05:00)
事の重大性を認識して襟を正し、全容解明と再発防止に全力を挙げなければ、日本の産業界全体が不利益を被りかねない。そのことを肝に銘じる必要がある。
三菱マテリアルグループで、品質データを巡る不正がまた見つかった。三菱アルミニウム、立花金属工業、ダイヤメットの各連結子会社で、検査データを偽装していた。しかも3社では2017年11月に他のグループ2社で同様な不正が明るみに出た後も、偽装行為が続いていたという。由々しき事態だ。
これを見逃した三菱マテリアル経営陣の資質も厳しく問われる。同社は17年11月の問題発覚を受けてグループ各社に対し、品質問題に関する調査を書面で行ったが、3社の不正を見抜けなかった。今回の問題が判明したのは日本工業規格(JIS)などの認証機関からの指摘や内部通報があったためで、企業統治が実を伴っていなかったことは明らかだ。隠蔽(いんぺい)体質を断ち切れない現場と、それを見逃した経営陣。どちらも事の重大性に対する認識が甘かったと言わざるを得ない。
経団連が品質にかかわる不正を洗い出すための調査を、会員各社に要請していたにもかかわらず、三菱マテリアルが同時期に発覚した3社の不正について当初、経団連に報告しなかったことも理解に苦しむ。
三菱マテリアルの小野直樹副社長は「(今回発覚した3社の事案はもともと調査の)対象ではないと認識していた」と主張する。だがそもそも経団連の調査要請は、品質を巡る不祥事が相次ぎ、日本のモノづくりに対する信頼が揺らぐ中で、事態の鎮火を急ぐ狙いがあった。その火元となった立場からすれば、調査対象か否かにかかわらず、経団連の呼びかけに全力で応えるのが筋ではないか。
同社は2月の予定だった調査報告の取りまとめを3月以降に延ばし、全容解明に取り組むという。企業統治体制を抜本的に再構築し、膿(うみ)を出し切って再発防止を徹底しなければ、顧客はもとより日本の産業界全体から後ろ指を指されかねない。
(2018/2/14 05:00)
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