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[ 科学技術・大学 ]
(2018/2/25 07:00)
スペイン北部にあるラ・パシエガ洞窟の壁画。ネアンデルタール人が6万4800年以上前に描いたと推定された(ドイツ・マックスプランク研究所、英サウサンプトン大提供、時事)
スペイン北部の世界遺産に登録されている洞窟壁画の一つが、遅くとも6万4800年前に描かれていたことが最新の年代測定で分かったと、ドイツ・マックスプランク研究所などのチームが22日、発表した。現生人類がアフリカから欧州に進出する2万年以上前で、描いたのはネアンデルタール人という。論文は米科学誌サイエンスに掲載される。
このラ・パシエガ洞窟で研究チームは、赤いはしごのような模様が描かれた部分に付着した炭酸塩(炭素化合物)を採取し、含まれているウランとトリウムの比率から年代を測定した。スペインの別の2カ所の洞窟壁画も同様の年代と判明した。幾何学模様や馬、鹿、鳥などの動物、人の手などが描かれ、こうした壁画は現生人類だけでなく、ネアンデルタール人にも描く能力があったという。
また研究チームは、スペイン南東部、地中海沿岸にあるネアンデルタール人の洞窟遺跡で見つかった貝殻について、従来推定の約5万年前を大幅にさかのぼる11万5000年前との測定結果を別の科学誌に発表した。貝殻は赤や黄に着色されたり、小さな穴が開けられたりしており、装身具の可能性がある。(時事)
(2018/2/25 07:00)