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[ 科学技術・大学 ]
(2018/3/1 05:00)
早稲田大学理工学術院の庄子習一教授、先進理工学研究科博士課程の桑江博之助手、先進理工学研究科修士課程の坂本暁祐氏、同大ナノ・ライフ創新研究機構の水野潤研究院教授らは、硬い酸化インジウムスズ(ITO)透明電極をマイクロサイズ(マイクロは100万分の1)のメッシュ構造に作り込むことで、フレキシブル化することに成功した。材料の柔軟性に頼らない新しい手法で、電子デバイスの新たな応用を開く。
単純なフォトリソグラフィーとエッチングにより、ITOにメッシュ構造をパターニングし、フレキシブルに作り込んだ。同構造により、屈曲時にITOにかかる応力を緩和するなどして、通常のITOに比べ、抵抗値の上昇率を1000分の1以下に抑えた。
また、液体の有機エレクトロ・ルミネッセンス(有機)デバイスを用いたデバイス内の駆動実験において、屈曲させない場合とほぼ同等の電気特性が得られ、材料としての有用性も確認できた。
材料自身の柔軟性を生かした従来のフレキシブル電極とは異なり、ITOのような硬い材料であってもフレキシブルにすることに初めて成功した。
ITOをはじめ、他の金属酸化物系の電極への応用が期待され、フレキシブル電子デバイスの発展に向けた基盤技術を目指すという。
(2018/3/1 05:00)