[ オピニオン ]
(2018/3/1 05:00)
中国は今週から春節(旧正月)休暇が明けて、企業も通常モードに戻った。街中に響き渡る爆竹や打ち上げ花火の音が耳に残り、あれほどうるさかったのに、なぜか寂しさを感じてしまう。
「2期10年」と定めていた国家主席の任期を撤廃する憲法改正案が、5日開幕の全国人民代表大会(中国の国会)に提案され、採択される見通しになった。権力基盤を盤石にする習近平氏が就任以来指揮してきた「反腐敗運動」の影響を現地で目の当たりにした。
なじみのレストランが閉店していたのだ。接待など宴会の自粛ムードが影響しているという。宴会の激減により飲食店やホテルの廃業が相次ぎ、贈答用高級酒などの販売も落ち込んでいる。
意外と困っているのは結婚するカップルだという。披露宴を開きたくても、当局の目を気にして盛大には催せない。店員による密告もあるやに聞く。
新婚さんは納得できない。そこで「上に政策あれば、下に対策あり」と言われる中国の本領発揮である。規模を抑え、グループごとの“分割開催”で監視の目をかいくぐるのだとか。庶民のたくましさに感心する。習体制が現地日系企業への締め付けを強めても、庶民のごとく、したたかに乗り切りたいものだ。
(2018/3/1 05:00)