[ 政治・経済 ]
(2018/3/5 05:00)
環太平洋連携協定(TPP)に参加する日本やオーストラリアなど11カ国は、離脱した米国を除く新協定「TPP11」の署名式をチリ・サンティアゴで現地8日(日本時間9日)に開く。トランプ米政権による鉄鋼輸入制限など保護主義的な動きが強まる中、アジア太平洋地域の自由で新たな貿易・投資ルールづくりを主導。経済成長につなげる。
署名後は各国が国内手続きや承認に向けた作業を急ぎ、早期の発効を目指す。
各国はTPP11で定めたルールに基づき工業製品や農産物の関税減免、通関手続き円滑化、国境を越えた投資の自由化などを進め、域内の経済活動を促進する。
日本政府の試算では、TPP11の国内総生産(GDP)押し上げ効果は7.8兆円。米国を含む当初の12カ国で見込んでいた13.6兆円から大幅に縮小するため、新たな国・地域の加入に期待している。
茂木敏充経済再生担当相は2日の閣議後記者会見で「(TPPの)意義を評価する国については(新規加入を)歓迎する」と述べた。台湾、韓国、タイなどが参加に関心を示している。
新協定は、署名国の過半数が国内承認手続きを完了してから60日後に発効する。日本は今国会に関連法案を提出、2019年の発効を目指す。
署名式に先立ち、11カ国は閣僚会合を開き、発効後の協定の運用方法や新規加入の取り扱いなどを議論する。新協定は、元のTPP協定のうち知的財産の保護など米国の要望で取り入れられた計22項目を、米復帰までの間、凍結する。(時事)
(2018/3/5 05:00)