[ 金融・商況 ]
(2018/3/8 20:00)
記者会見の冒頭、頭を下げる仮想通貨交換業者コインチェックの和田晃一良社長(手前)ら(8日、時事)
仮想通貨交換業者のコインチェック(東京・渋谷)は8日、不正流出した仮想通貨「NEM(ネム)」を保有していた約26万人に対し、来週をめどに返金補償を実施すると発表した。顧客保護の観点から他社との業務提携も検討する可能性を示唆した。
大塚雄介最高執行責任者(COO)は会見で、「ネムの補償は来週中に口座に反映する」と述べた。具体的な方法は同社ホームページに掲載する。一方、すでに再開していた顧客からの日本円での預かり資産返還額は600億円程度に達したことを明らかにした。今後も業務を継続し、金融庁への交換業者登録を目指すという。
不正流出の原因について大塚氏は、社員のパソコンがフィッシングメールでウイルスに感染して外部攻撃者がネムのサーバーに侵入、遠隔操作されたためと説明した。新たな端末でネットワークを再構築。専門部署も新設しネットワークと切り離した管理法で安全性が確認できた仮想通貨から順次、業務を再開したい考えを示した。
記者会見で厳しい表情を見せる仮想通貨交換業者コインチェックの和田晃一良社長(8日、時事)
コインチェックでは、技術的な口座管理の甘さなどから1月下旬に約580億円相当のネムが不正流出した。1月半がたち、ようやく被害者への補償にこぎ着ける。金融庁は同日午前、同社に2度目の 行政処分を発令。経営体制の抜本的見直しや、資金洗浄(マネーロンダリング)、テロ資金対策などへの対応を求めた。
社長辞任検討、業務提携模索も
和田晃一良社は会見で、自らの経営責任について「辞任を含めて検討している」と表明。大塚氏は「22日までに回答する」と言及した。補償の原資は自社の資産から賄えると強調したものの、和田氏は「顧客の保護が第一」とし、それにつながるなら他の仮想通貨交換業者との業務提携も検討する意向を示した。
コインチェック問題の発覚後、金融庁は仮想通貨交換業者への監視を強化。各社に立ち入り検査などを実施した。同日の行政処分はコインチェックのほか6社に及び、うちFSHOとビットステーションには1カ月間の業務停止を命じるなど、業界のずさんな管理体制が明らかになった。(ブルームバーグ)
(2018/3/8 20:00)
金融・商況のニュース一覧
- 三井住友FG、戦略投資1800億円 業務革新・新規事業に重点(18/09/05)
- 薄板在庫、一時440万トン超 豪雨など影響、リーマン迫る水準に(18/09/05)
- みずほ銀、製造業マッチング 「地域未来牽引企業」向け(18/09/05)
- オリックス・レンテック、ロボレンタル機種拡充 中小に訴求(18/09/05)
- 東京の異形棒鋼、強含み横ばい 原料高で値上げ基調(18/09/05)
- スルガ銀が不透明融資 創業家企業に数百億円(18/09/05)
- SOMPO欧州子会社、ルクセンブルクで始動 英のEU離脱対策(18/09/05)
- NYパラジウム、戻り歩調 堅調地合い維持か(18/09/05)
- 商品トレンド/リン青銅板 8月以降、相場続落(18/09/05)
- アナリストの目(73)エス・エム・エス 介護・看護人材紹介で成長(18/09/05)
- バロ・エナジー、燃料出荷に不可抗力条項を発動 独・製油所火災で(18/09/05)
- アフラック生命、仙台市でコールセンター開所式(18/09/05)
- 三井住友銀、住友化学に協調融資 ESG評価の第1号案件(18/09/05)
- 大和証券グループ、テーブル・フォー・ツーなどに103万円寄付(18/09/05)
- 株式相場/3日続落(18/09/05)
- 材料相場表/有料会員のみPDFで公開(18/09/05)