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[ エレクトロニクス ]
(2018/3/13 11:00)
(ブルームバーグ)トランプ米大統領は12日、ブロードコムによるクアルコム買収を阻止する大統領令に署名した。ブロードコムは1170億ドル(約12兆4500億円)でクアルコム買収を提案していたが、対米外国投資委員会(CFIUS)が国家安全保障上の理由で審査を行っていた。
同大統領はCFIUSの勧告に基づいて行動した。シンガポールを本拠とするブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)は米国防総省の当局者と会って買収を成立させるための最後の努力を行ったが、その後大統領令が発令された。
トランプ氏は12日夜公表の大統領令で、クアルコム買収により「ブロードコムが米国の国家安全保障を損ないかねない行動を取り得ると考えさせられる信頼できる証拠がある」との見解を示した。
今回の命令は、外国企業の米テクノロジー企業買収に対するトランプ政権の厳しい姿勢を鮮明にした。昨年9月には、中国が支援する投資会社による米ラティスセミコンダクターの買収を 阻止した。トランプ政権下では少なくとも6件のテクノロジー企業の取引がCFIUSからの懸念に直面して頓挫している。
ブロードコムは発表文で、今回の命令を精査中だが、「クアルコム買収が国家安全保障上の懸念を引き起こすとの見方に強く異議を唱える」とコメント。クアルコムに取材を試みたが返答はない。
米財務省は3月4日、ブロードコムによる買収でクアルコムの次世代ワイヤレス技術開発におけるリーダーシップが脅かされるとして、クアルコムに30日間株主総会を延期するよう命令。また、ブロードコムが短期的な利益拡大のために研究開発投資を縮小する恐れもあり、中国企業が支配的なサプライヤーになりかねないとの 懸念を示していた。
原題: Trump Blocks Broadcom Takeover of Qualcomm on Security Risks (2)(抜粋)
(2018/3/13 11:00)