[ 政治・経済 ]
(2018/3/20 11:00)
【ブリュッセル時事】英国の欧州連合(EU)離脱交渉で、バルニエEU首席交渉官は19日、焦点となっていた離脱後の激変緩和に向けた「移行期間」を、2019年3月29日の離脱後から20年末まで設けることで合意したと発表した。
移行期間の設定は、拙速な離脱で経済が不安定化することを嫌う双方の産業界などが強く求めてきた。合意に達したことで、交渉は当面のヤマ場を越えることになる。
EUは、今年2月に公表した英国離脱時の条件を定める離脱協定草案の改定版も公表。バルニエ氏は「決定的に重要なステップだ」と胸を張った。ただ、改定版に明記された交渉事項の中には、英領北アイルランドとアイルランドの国境問題など合意を得られていないものも少なからずあり、今後の協議に委ねられる。
合意内容は22、23両日に開催されるEU首脳会議で報告され、EU首脳らは自由貿易協定(FTA)など将来の関係の交渉戦略を定めた「指針」と併せて承認する見込みだ。バルニエ氏と共に記者会見した英国のデービスEU離脱担当相は、FTAなどの交渉を「できるだけ早期」に開始するよう求めた。
(2018/3/20 11:00)