[ 政治・経済 ]

【電子版】米欧・カナダ、ロシア外交官100人強を一斉追放 英暗殺未遂の制裁で

(2018/3/27 07:30)

  • 米欧とロシアの対立が深まるのは避けられそうにない情勢(トランプ米大統領、ブルームバーグ)

 英国で元ロシア情報員が神経剤で襲撃された事件への対応として、トランプ米大統領は26日、ロシア外交官60人の国外追放と、シアトルのロシア領事館の閉鎖を命じた。この事件を巡って欧州の同盟国やカナダも同様の措置を取った。

 今回の国外追放は米国史上最大規模。北大西洋条約機構(NATO)と欧州は英国での襲撃事件を巡りロシア政府への対抗措置で協調、合わせて100人強のロシア外交官が追放された。

 26日に追放措置となったロシア外交官の数は欧州連合(EU)が30人、ウクライナが13人、カナダが7人。

 トランプ大統領はこれまで、プーチン大統領とより緊密な個人的関係を築こうとする一方、ロシアとつながりのある個人や企業に対する制裁も実施してきたが、今回、トランプ政権下では最も厳しい対ロシア措置が取られた。

 シャー米大統領副報道観はこの日、記者団に対し、「われわれはロシアとの連携を望んでいるが、この種の行動は許容できない」とした上で、「米国と世界の同盟国、パートナー国はロシアに対し、行動には結果が伴うということを明確に示した」と語った。

 一方、サンダース米大統領報道官は声明で、「トランプ大統領はきょう、多数のロシア情報員の米国からの追放、ならびにシアトルのロシア領事館閉鎖を命じた。シアトルの領事館閉鎖は、潜水艦基地とボーイング社に近いことが理由だ」と説明。「ロシアによる英国での化学兵器使用への対応としてのNATOならびに世界の同盟国との協調行動で、米国はこの措置を講じる」と述べた。

 EUのトゥスク大統領(常任議長)も26日、域内の14カ国がロシア外交官を国外追放にすると発表。その後、間もなくフランス、ドイツ、ラトビア、エストニアが正式に発表した。

 米政府高官らは、米国で外交官として働くロシア情報員は100人を超えるとし、容認できない人数だと述べた。

 今回、米国からの退去の対象となる60人はロシア大使館に勤務する48人と国連に派遣されている12人。政権高官らによれば、7日以内に退去しなければならない。

 一方ロシアの国営メディアは、同国政府が「数日内」に対応すると報じた。(ブルームバーグ)

(2018/3/27 07:30)

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