- トップ
- 科学技術・大学ニュース
- 記事詳細
[ 科学技術・大学 ]
(2018/3/28 05:00)
【名古屋】名古屋大学大学院理学研究科の小嶋誠司准教授らは、細胞の運動器官であるべん毛を回転させるたんぱく質製モーターに必要な、エネルギー変換複合体(固定子)が固定する仕組みを解明した。固定子がイオンを通しやすい構造に変化すると、細胞壁に結合可能になる。生物の持つモーターの仕組みの解明のほか、新たな抗菌薬開発につながると期待される。
サルモネラ属菌のべん毛モーターの固定子たんぱく質に、モーターから外れてもイオンを通しやすい変異体を発見した。
細菌細胞壁の主要物質である「ペプチドグリカン」に結合したため、構造解析した。べん毛のせん状構造部分が伸びると、固定子の一部も伸び上がり、ペプチドグリカンへの結合部位が露出、固定子が細胞壁に固定された。
細胞壁に結合するたんぱく質は病原細菌にも多く、共通の仕組みを持つと考えられる。
(2018/3/28 05:00)