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[ 科学技術・大学 ]
(2018/4/4 05:00)
東京工業大学物質理工学院の澤田敏樹助教と芹澤武教授らは、ウイルスを規則正しく並べて熱伝導性フィルム(写真、東工大提供)を開発した。長さ1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)、太さ5ナノメートル(ナノは10億分の1)のウイルスの向きをそろえると、ウイルスがランダムに積まれたフィルムに比べて熱伝導性が10倍向上する。金属放熱部品の隙間を埋める熱輸送シートなどへの応用を目指す。
M13ファージという円柱状ウイルスを材料に利用した。ウイルス溶液をガラス上に垂らして乾燥させると、ウイルスが円周方向に並んだ膜ができる。この熱拡散率は毎秒0・63平方ミリメートルと無機材料なみの熱伝導性だった。配向度は0・8で約8割のウイルスが規則的に並んでいると考えられる。規則正しい状態がミリメートルの大きさで維持されていることが熱伝導性を高めている。フィルムは軟らかく200度C程度までは耐えられるという。
(2018/4/4 05:00)
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