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METI Journal×日刊工業新聞/内なる国際化(9)

(2018/4/10 05:00)

わが国の成長にとって高度外国人材の重要性がかつてなく高まっている。だが島国である日本では、企業の多国籍化を阻む“壁”も決して少なくはない。リクルートワークス研究所の石原直子人事研究センター長/主任研究員と日本貿易振興機構(ジェトロ)の赤星康副理事長に、わが国の企業が取り組むべき課題などについて語り合ってもらった。

―日本企業は人材の国際化で遅れがちです。

【石原氏】海外とは就業観が大きく違う。日本企業ではいったん入社したら定年まで働くのが当然とされる。この共通認識はある意味社会に安定をもたらしてきたが、もはや現代的とはいえない。

【赤星氏】知り合いに外資系銀行に勤めていた人がいて、就業観の違いが分かる。その人が経験した転職は、常にレベルアップを伴うもの。つまり外資系企業では、より上位のポストが社内になければ社外に活路を見いだす考え方が基本になっているようだ。

【石原氏】同じアジアでも、中国人などはその考え方にフィットしている。日本だと、すぐ辞める人は「我慢強くない」とか「信用できない」などと評価されてしまうが、海外では社外に良いポストがあれば誘いを受けるのが自然な流れ。逆に、社内における昇進は当然の権利でも約束されたものでもない。昇進競争では社外の人もライバルになる。「自分のキャリアは自分で決める」というのが海外の若者の当たり前の態度。日本人は企業に入るとキャリアを会社に任せてしまう。

【赤星氏】海外人材についてよく聞く話だが、「日本だと課長、マネージャーになるまでに10年くらいかかる」と伝えると、彼らはすごく驚く。この感覚のギャップは日本企業における外国人材の離職率の高さにつながっているようだ。

【石原氏】優秀な海外人材は、いつまでもマネジメントをやらせないままでは、組織による自分の能力への評価に不信を抱くようになる。海外駐在が長いある日本企業の役員は、まずやらせてみることが大事だと話していた。仮に結果が出なければ、他の仕事を通じた成長が必要ということが本人にも分かる。このやり方で納得しない海外人材は、ほとんどいないようだ。

*続きはMETI Journalでお読み下さい

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(2018/4/10 05:00)

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