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[ 環境・エネルギー ]
(2018/4/26 21:00)
2号機原子炉格納容器内部調査結果について(東京電力提供)
3号機原子炉格納容器内部調査 映像からの3次元復元結果(東京電力提供)
東京電力は福島第一原子力発電所2号機と3号機の格納容器内部で燃料デブリが広がっている詳細な様子を公表した。2017年と18年に調査した画像を画像処理で鮮明化して三次元化した。圧力容器の下では床一面に小石状や粘土状の堆積物が広がっていた。構造物や落下物の位置、状態が把握できたため次の調査で狙うべき対象が明確になった。(小寺貴之)
2号機では圧力容器を支える円筒状の構造物(ペデスタル)の底一面に小石状や粘土状の堆積物が広がっていた。スプリング状や棒状の落下物を複数確認した。形状から何の部品が検討したが特定はならなかった。
落下していた燃料集合体のハンドルは刻印を「F2XN」と判読できた。ダミー燃料ではなく、核燃料が落下したことが確認された。
底部の堆積物は高さ40-50センチメートルで、70センチメートル程度に高く堆積している部分も確認。周囲より高い部分が複数あるため、燃料デブリが溶け落ちたと考えられるルートは複数存在すると考えられる。
3号機は遊泳ロボットが撮影した動画をもとに三次元立体図を作成した。中央にCRD交換機などの構造物が折り重なり、その中央に高さ3メートル程度の堆積物が山になっていた。がれきが重なっているため内部は空洞の可能性もある。
内部状況が明らかになり今後の調査のポイントを絞り込んだり、燃料デブリの取り出し技術の有効性を検証できるようになる。東電福島第一廃炉推進カンパニーの小野明プレジデントは「どこに、どんなものが、どんな状態であるか把握できたことは大きい。(デブリ取り出しは)非常に困難な作業に向かっていかなければならない。しっかりと準備し取り組んでいきたい」とした。
(2018/4/26 21:00)