[ 政治・経済 ]
(2018/5/8 19:30)
【北京、ソウル=時事】中国遼寧省大連を8日までに訪問した北朝鮮高官について、金正恩朝鮮労働党委員長との見方が浮上している。正恩氏だった場合、3月末の初訪問以来、短期間で2度目の訪中となる。中国の習近平国家主席と首脳会談を行った可能性もあり、関係国は動向を注視している。
中国外務省の耿爽・副報道局長は8日の記者会見で、「今のところ提供できる情報はない。中朝は隣国として両国の間で通常のやりとりや往来を維持している」と述べた。韓国外務省報道官も同日の会見で、「現時点で確認できる内容はない」と話した。
韓国情報筋によると、大連の空港で7日午後、北朝鮮国営の高麗航空機が確認された。正恩氏の専用機と同型の航空機が目撃されたとの情報もある。中国のインターネット上には、大連市内を要人専用車が走る映像などの投稿が相次いだ。
正恩氏は現在、6月上旬までの開催が予定されている米朝首脳会談に向けて外交を活発化させている。正恩氏の訪中が事実であれば、「後ろ盾」となる中国との関係進展を誇示し、北朝鮮の「完全な非核化」を求めるトランプ大統領をけん制する形にもなる。
大連では中国初の国産空母の試験航海が近く行われ、習氏が訪れるとも伝えられていた。韓国メディアは中朝首脳が接触した可能性を指摘している。
正恩氏は3月末、特別列車で北京を電撃的に訪問し、習氏と初めての首脳会談を行った。会談では、習氏が正恩氏からの訪朝要請を受諾。習氏の訪朝前に正恩氏が再び訪中したとなれば、外交儀礼上、異例とも言える。
(2018/5/8 19:30)