[ 人物 ]
(2018/5/21 05:00)
頼られる研究者目標に
「プロジェクトとしてはまだ1合目の手前という感触ですが、絶対にやらないといけないテーマです」。富士フイルムの小松原美穂さん(34)が取り組むのは、化合物データを集約し、機械学習を用いて新しい組み合わせを提案するシステムの構築だ。「小松原に聞いてみよう」と頼られる研究者が目標。
基盤システムづくりに没頭
奈良女子大学から大学院に進み、人間文化研究科情報科学専攻で修士課程を修了しました。女子大を選んだのは、理系でも女性だけで物事を決めて前に進めたいと考えたから。収集した生体データを基に健康状態を推定する研究を重ねるうちに、生体と関わる仕事をしたいと思い描くようになりました。
富士フイルムは世界で初めて、デジタルX線画像診断装置を製品化した会社です。このインパクトはかなり強く、自然と「ここで働きたい」という気持ちが芽生えたことを覚えています。世の中にないモノを生み出す技術や人材がそろう企業で、私自身も成長してみたい。正直、一目ぼれに近かったですね。
主に画像処理に関連する基盤技術の構築を経て、現在は先進研究所(神奈川県開成町)で化合物の基盤システムづくりに没頭しています。画像とはまた違う難しさがあり、最初は戸惑いました。どんな仕様が使いやすいのかも判断しにくい。今はユーザーであるヘルスケアや有機合成の研究者たちと一緒に、一つひとつ機能に磨きをかけている段階です。
幅広い事業を手がけている分、グループから新しい技術やソリューションが誕生するのが楽しみです。私も今以上に難しい案件に悩まされるかもしれませんが、まずは研究者同士をつなぐ“ハブ”を心がけるつもりです。
週末はゲームに熱中したり、海辺を散歩したりしています。友人とのパン屋巡りも、気分転換の一つ。外はサクッ、中はもっちりしたクロワッサンがおすすめです。(文=堀田創平、写真=成田麻珠)
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◇富士フイルム R&D統括本部インフォマティクス研究所
(2018/5/21 05:00)