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[ 環境・エネルギー ]
(2018/6/9 05:00)
関西電力の岩根茂樹社長は8日までに日刊工業新聞のインタビューに応じ、7月1日に実施する電気料金引き下げを追い風に、法人営業でも攻勢をかける方針を明らかにした。同社の法人向け電力供給量の動向を、岩根社長は「(主に工場や商業ビルで使用する)4月の高圧・特別高圧の電力需要が、50カ月ぶりに前年同月比プラスになった。5月もプラスが継続する見通しだ」とした。法人需要をしっかり取り込むべく、営業の組織体制も拡充していく。
関電は7月に電気料金を平均で5・36%、うち法人向けは同5・94%引き下げる。2017年夏以降これまで、福井県の高浜、大飯の2原発4基を再稼働にこぎつけたことで値下げを実現。法人営業で有力顧客は1社ごとに専任者がはりつく体制をとり、多くの企業に対し電気やガス、通信を含むトータルな提案営業を行い、法人需要の挽回に力を入れている。
6月末に行う組織改正で営業体制を見直し、「大口顧客や中小企業など法人個別の営業体制を明確化し、よりきめ細かい対応で法人向けを強化する」(岩根社長)方針だ。
また大阪ガスが5日に公表した家庭向けの電気料金の対抗値下げに対し、岩根社長は「(当社の)ガスと電気のセット割引『なっとトクパック』はすべての使用量帯で当社がお得で競争力がある」と、大ガスよりも安い料金メニューによる顧客獲得に自信を見せた。
一方、大きな関心を集めている、同社が運転する原発から出た使用済み核燃料を一次保管する中間貯蔵施設の候補地を18年内に示すとする問題について、岩根社長は「全力で対応している。ただ、地元や自治体の理解と同意がないと成立しない。誠心誠意進めていく」と、従来の見解を述べるにとどまった。
(2018/6/9 05:00)