[ ICT ]
(2018/6/19 18:00)
ある後期乳がんの女性が、既に肺に水がたまった状態で病院に到着した。女性は医師2人による診察後、放射線検査を受けた。病院のコンピューターは女性のバイタルサインを読み取り、入院中に死亡する確率を9.3%と推定した。
ここでグーグルの出番となった。同社が開発した新タイプのアルゴリズムは女性の17万5639のデータポイントを読み取り、死亡確率を19.9%と判断した。女性はわずか数日後に亡くなった。
この匿名の女性の死を巡る痛ましい話は、グーグルが5月に公表したヘルスケアにおけるニューラルネットワークの潜在力に焦点を当てた研究で明らかになった。ニューラルネットワークは人工知能(AI)ソフトウエアの一種で、特にデータを使って自動的に学習し改善することに優れている。グーグルは、患者の入院期間および再入院・死亡の確率などを予測するツールを開発した。
グーグルの次のステップはこの予測システムを病院向けに実用化することだと、同社のAI責任者ジェフ・ディーン氏が5月にブルームバーグ・ニュースに語った。「メディカル・ブレーン」と称されることもあるディーン氏率いるヘルスケア研究部門は、症状や病気をしかるべき正確さで予測できる多数のAIツールの開発に取り組んでいる。
メディカル・ブレーン部門の技術的進歩により、グーグルは新規分野であるヘルスケア市場に参入するチャンスを得られる可能性がある。(ブルームバーグ)
(2018/6/19 18:00)