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[ 自動車・輸送機 ]
(2018/6/26 11:00)
米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、セダン「モデル3」の生産ペースを6月中に週5000台に引き上げるとの目標を掲げているが、達成に残された時間はあと6日だ。達成できるとすれば、それは同社工場の外にある、一見不思議な構造物のおかげかもしれない。マスク氏が「とにかく最高」と絶賛するフットボール場2個分の広さのテントだ。ただ製造業の専門家からは、常軌を逸していると嘲笑を買っている。
サンフォード・C・バーンスタインの金融アナリスト、マックス・ウォーバートン氏は「あきれて言葉が出ない。正気じゃない」と述べた。同氏は金融アナリストになる前、世界の自動車組立工場の評価を行っていた。
カリフォルニア州フリーモントに敷設されたこのテントの内部には、マスク氏がモデル3のために急きょ設置した組み立てラインがある。モデル3の量産体制が整えば、テスラは富裕層向けのニッチ企業から、より手頃な価格の大衆市場向け電気自動車を大量生産する企業に変身できる。
テスラには、飛躍するための時間が十分以上あった。マスク氏は2年前、2017年後半にモデル3の生産台数が10万-20万台になると予想。だが生産台数は今年1-3月(第1四半期)で9766台、週ベースにして約750台にとどまった。
マスク氏はテントについて今月16日にツイッターで発表。同社が予備の部品を利用して3週間で「全く新しい組み立てライン」を完成させたと述べていた。
この新しい組み立てラインが完全に操業可能な状態にあるのかは不明確だ。テスラの担当者はコメントを控えた。ツイッターやインターネット上のフォーラムにはテントの写真や動画が投稿され、称賛や嘲笑のコメントが飛び交っている。こうした極めて強い関心が影響したとみられ、最近ではこのテントの周囲を超大型トラックが囲み、見えづらくなっている。(ブルームバーグ)
(2018/6/26 11:00)