[ オピニオン ]
(2018/7/12 05:00)
雨が強くなりだした6日、広島市内中心部を自動車で走っていたら、あまりの土砂降りで前が見えない。道路はみるみる水があふれて10センチメートル以上の深さになり、怖いほどだった。同日の降水量は観測史上トップの229ミリメートルに達した。
広島市民にとって、安佐北区と安佐南区で74人が亡くなった2014年8月の土砂災害の記憶は新しい。今回もテレビが「直ちに命を守る行動を取って下さい」と繰り返していたが、実際に雨の勢いは、いつ大きな災害が起きてもおかしくない感じだった。
明らかになってきた豪雨の被災状況。報道によると、西日本各地の死者はすでに160人を超え、なお数十人の安否が分かっていない。不幸ながら被害の規模は14年の広島豪雨を上回った。
11日朝の経済産業省の発表によると、停電は全国で約800戸に減り、都市ガスの復旧もほぼ完了した。被災地へのガソリン供給も始まり、水道を除くライフラインは着実に回復しつつある。
地震に比べれば、豪雨はまだ予知できる。しかし、具体的にどの山が崩れるかまでは予知してくれない。真夜中に避難指示が出たとしても、お年寄りや幼い子どもを抱えた家庭では避難も難しい。土砂による被害低減へ、難問である。
(2018/7/12 05:00)