[ 政治・経済 ]
(2018/8/21 14:30)
台湾政府は21日、中米エルサルバドルとの外交関係を断絶したと発表した。エルサルバドルは台湾に代わり中国と国交を樹立した。これにより、台湾と外交関係を持つ国は17カ国に減少した。
2016年の蔡英文政権発足以降、台湾との断交に踏み切った国は5カ国目。今年5月には中米のドミニカ共和国とアフリカのブルキナファソが相次いで台湾と外交関係を断ち、中国と国交を結んだ。
AFP通信によると、呉釗燮外交部長(外相)は発表に当たり、中国が港湾開発で資金を必要とするエルサルバドルを金の力で取り込んだとの見方を示唆。「下品な行動」と中国を非難した。
中国本土と台湾を不可分とする「一つの中国」原則を認めない蔡総統の就任後、中台関係は悪化している。中国は台湾を孤立に追い込む外交攻勢に加え、軍事圧力や、中国で活動する台湾住民の待遇改善といった懐柔策を駆使し、蔡政権を追い詰める構えを見せている。
これに対し蔡総統は外交関係つなぎ留めに力を注いでおり、今月20日までの日程で中南米を歴訪したばかりだった。蔡総統は帰路の経由地米テキサス州ヒューストンで米航空宇宙局(NASA)の施設に足を運ぶなど、米国との関係誇示にも努めている。(時事)
(2018/8/21 14:30)