[ 政治・経済 ]
(2018/8/26 08:30)
防衛省は来年3月末、九州・沖縄を担当する陸上自衛隊西部方面隊(熊本市)にサイバー攻撃への対処を担う「西部方面システム防護隊」を創設する。東シナ海で活動を活発化させている中国を念頭に置いた南西諸島防衛の強化策の一環。通信の安全性確保が目的で、地方にサイバー専門部隊を置くのは初めてとなる。
防護隊は、西部方面システム通信群の下部組織として約40人態勢で発足。陸自が有事や災害現場で使用する無線の野外通信システムに対するサイバー攻撃への対処が主な任務となる。
防護隊新設の背景には、西部方面隊の管轄地域に離島が多く、自衛隊の通信インフラが確立されていないことがある。自衛隊はインターネットに接続可能な「オープン系」と秘匿性の高い情報を扱う「クローズ系」の2種類の通信回線を併用している。離島では無線を通じてクローズ系にアクセスする必要があるが、その際にシステムに侵入される危険性が指摘されている。
こうしたリスクを未然に防止し、離島に部隊を展開した際にも安全な通信網を確立する。独立組織とすることで現場への要員派遣が迅速に行える長所もある。防衛省は今後、他の方面隊への部隊設置も検討する。(時事)
(2018/8/26 08:30)