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[ 環境・エネルギー ]
(2018/9/9 16:00)
【シドニー=時事】世界自然保護基金(WWF)オーストラリア支部などは7日、調査報告書を公表し、豪東部ニューサウスウェールズ州でコアラの生息する森林の伐採が加速し、現在のペースで伐採が進めば同州では2050年にも自然界からコアラがいなくなる恐れがあると警告した。
調査では、コアラが多く生息する州北部を撮影した衛星写真を分析。森林伐採がこの1年で約3倍に加速したことが判明した。コアラが生息する森林は計5246ヘクタールが消滅し、1日当たりでは東京ドーム約3個分に相当する14ヘクタールに達する。
WWFは17年8月に同州で、原生植物に関する法律が撤廃されたことが主因と分析。州内のコアラは推計2万匹以下で、「自然界にコアラを生かせておきたいなら、過剰な伐採をやめる必要がある」と訴えた。
同州は今年5月、専用病院の開設などを盛り込んだコアラ保護戦略を策定し、3年間で4470万豪ドル(約35億円)を投じる計画を発表。今回の報告は「不安をあおっている」と批判した。
(2018/9/9 16:00)