[ ICT ]
(2018/9/10 12:00)
USTRに書簡「米消費者が最も打撃」
米アップルは、トランプ政権が中国からの輸入品2000億ドル(約22兆2000億円)相当への関税賦課を発動すれば「アップルウオッチ」や 「エアポッド」など消費者に人気の一部製品の値上がりにつながるとの見解を示した。
同社は米通商代表部(USTR)に宛てた5日付書簡で、「マックミニ」と「アップル・ペンシル」、各種充電器・アダプターのほか、一部米製品の製造・設計に用いる工作機械も影響を受けると説明した。
これに対し、トランプ米大統領は8日のツイッターへの投稿で、簡単な解決策があるとした上で、「中国ではなく米国内で製品を生産すればいい。新たな工場の建設に今すぐ取り掛かるがいい。わくわくする!」と述べた。アップルの広報にトランプ大統領のツイートに関するコメントを求めるメッセージを送付したが、これまでに返答はない。
米国はこれまで総額500億ドル相当の中国産品に関税を賦課し、新たに2000億ドル相当の輸入品への関税を発動する構えだ。さらにトランプ大統領は7日、中国からの輸入品2670億ドル相当に対して追加関税を賦課する用意があると表明。その場合、事実上全ての消費財カテゴリーが影響を受けるとアナリストらは分析する。
アップルは書簡で「これらの関税に対する当社の懸念は米国が最も打撃を受けるのではないかということだ。関税導入の結果、成長の伸びや競争力の鈍化に加え、値上げが米消費者を直撃するだろう」と指摘。関税は「米消費者への課税となり、顧客の日常生活に欠かすことができなくなっているアップル製品のコスト増をもたらす」と説明した。
その上で米政府に対し、「こうした政策を再考し、米国の経済と消費者を従来にも増して力強く健全な状態とさせる、より効果的な他の解決策を見いだす」ことを求めた。(ブルームバーグ)
(2018/9/10 12:00)