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[ 科学技術・大学 ]
(2018/9/15 08:00)
三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は15日、鹿児島県・種子島宇宙センターで同日朝に予定していた無人補給機「こうのとり」7号機を搭載したH2Bロケット7号機の打ち上げを延期すると発表した。ロケットエンジンの液体酸素タンクの安全弁に異常が見つかったため。再打ち上げには少なくとも1週間以上かかるという。
こうのとり7号機は国際宇宙ステーション(ISS)に運ぶ物資を搭載。当初は11日の打ち上げを予定していたが、天候悪化を理由に、これまで2回延期されていた。記者会見した三菱重工の二村幸基技師長は「予定した日に打ち上げられなかったのは残念だが、打ち上げてからの失敗はあってはならず、未然に防止できたと思っている」と述べた。
三菱重工などによると、異常が見つかったのは、第2段ロケットエンジンに酸素を供給する液体酸素タンクの圧力調整バルブ。タンクに規定値以上の圧力がかかると、バルブが開いて安全弁として働くが、15日未明の点検で規定より低い圧力で動作した。
このまま打ち上げると、飛行中にタンクからエンジンに酸素を供給できなくなる恐れがあり、打ち上げ中止を決めた。同型のバルブはH2Aロケットでも使われており、これまで異常はなかったという。三菱重工などは、充填(じゅうてん)済みの燃料を抜いた上で、ロケットを整備棟に戻して原因を調べる。
JAXAによると、ISSには数カ月分の食料や水などが備蓄されており、こうのとりの打ち上げが遅れても当面問題はないという。
H2Bロケットで機体の不具合による打ち上げ延期は初めて。H2Aは昨年8月の35号機で、エンジンなどのバルブを動かすヘリウムガスの圧力低下が打ち上げ直前に見つかり延期された。(時事)
(2018/9/15 08:00)