[ 政治・経済 ]
(2018/9/22 07:30)
【ワシントン=時事】トランプ米政権は20日、連邦政府機関におけるサイバー対策の指針となる国家サイバー戦略を公表した。その中で、基幹インフラや最先端産業などを脅かす攻撃には「全ての手段」を駆使して報復すると明記。ロシアや中国、北朝鮮を名指しし、米国や同盟国に対するサイバー攻撃は「迅速かつ明確に多大な犠牲を伴う結果」を招くとけん制した。
新戦略は「米国人の生活は、全ての側面において安全なサイバー空間への依存を深めている」と指摘。ロシアやイラン、北朝鮮は無秩序なサイバー攻撃を通じて企業に危害を加える一方、中国は知的財産を盗み取っていると批判した。
その上で、「米国やパートナー国に対する無責任な行動には結果が伴うということを明確にしなければならない」と強調。「米国が持つ全ての手段を活用し、悪意あるサイバー活動を抑止し、対応する」と明言した。この中には外交的報復だけでなく、サイバー攻撃や軍事攻撃、経済制裁も含まれるという。
また、サイバー防衛分野での人材育成や、同盟国や友好国と連携して大規模なサイバー攻撃に対処する方針も示した。
ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は記者会見で「われわれはサイバー攻撃をしたいのではなく、米国を攻撃すれば、耐え難いほどの代償を支払うと敵対勢力に思い知らせ、攻撃を抑止する体制を構築することが狙いだ」と説明した。
新戦略公表に先立つ18日、国防総省もこれに付随するサイバー戦略を公表。悪意ある攻撃を防ぐためには「前方防衛」も辞さないと明記し、先制サイバー攻撃をためらわない姿勢を示した。
(2018/9/22 07:30)