[ オピニオン ]
(2018/9/26 05:00)
関西に大きな被害をもたらした台風21号。同じ地域に立地する企業でも、シャッターがガイドレールからはずれて簾(すだれ)のように舞った工場と無傷の工場があった。明暗を分けたのは何か。
シャッターの素材や面積、設計、劣化度合いによって外れやすさは異なるが、メカニズムはほぼ同じ。風圧でシャッターがたわみ、ガイドレールとのわずかな隙間がいったん開けば食い破るかのように風がなだれ込んでシャッターがはじき出される。
被害がなかった町工場の社長は「シャッターの周りを隙間なくテープで目張りし、その上をさらにシートで覆ってテープを貼った」と“蟻(あり)の一穴”を防いだ。たわみを防ぐシャッターガードなども製品化されているが、手元になければテープの目張りを実践してもらいたい。
全面再開まで時間を要した関西国際空港の影響がインバウンド(訪日外国人)に現れている。アジア各国の言語が飛び交い、混み合っていた観光地やアーケードの様相は一変した。
こちらの一穴は瞬時ではないが、徐々に店舗のシャッターへ影響しかねない。空港別の外国人入国者で関西空港は716万人(2017年)と成田空港に次ぐ。連絡橋の道路通行を含めた早期完全復旧が待たれている。
(2018/9/26 05:00)