[ オピニオン ]
(2018/10/26 05:00)
日清食品の「チキンラーメン」は今年、還暦を迎えた。インスタントラーメン誕生60周年記念に忖度(そんたく)したわけでもなかろうが、NHKは、2018年度下期の朝の連続テレビ小説『まんぷく』で、同社の創業者で開発者の安藤百福夫妻をモデルにしている。
百福氏が朝ドラに登場するのは、今回が初めてのことではない。前回は『てるてる家族』という石原さとみさんが主人公を演じた番組の際には、大阪府池田市の発明家として登場。話の中でチキンラーメンの開発苦労話も紹介した。
幕末・明治維新を背景とする大河ドラマは数年おきに制作されている。現在の『西郷どん』で大久保利通を演じる瑛太さんは、『篤姫』では薩摩藩家老の小松帯刀を演じた。百福氏には前回は中村梅雀さんがキャスティングされた。
今回は二枚目の長谷川博己さんが百福氏を演じており、演じ方の違いを見るのも一興だ。ニッカウヰスキーの創業者竹鶴政孝氏がモデルだった『マッサン』をはじめとして、関西系の創業社長が出てくる機会の多い近年の朝ドラ。
それぞれの秘話まで垣間見ることが可能なら、紙芝居的な娯楽としてだけでなく、経済ドラマとしても楽しむことができよう。今後の展開に期待したい。
(2018/10/26 05:00)