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[ エレクトロニクス ]
(2018/12/1 05:00)
韓国検察当局は29日、サムスン電子が保有する折り曲げ可能なスクリーン技術を中国のライバル企業に違法に売り渡したとして9人と2社を起訴したと発表した。
水原地方検察庁によると、サムスンのサプライヤー企業1社の最高経営責任者(CEO)と従業員8人は中国企業の幹部2人と共謀し有機EL技術を流出させ、155億ウォン(約15億7000万円)を受け取った。企業と被告の氏名は公表されなかった。
技術面で中国に対してかつてほどの優位性がない中で、知的財産の窃取は韓国にとって国家的な懸念材料になっている。中国はサムスンが得意とする半導体メモリーやディスプレーなどの分野で他国に頼らず自立しようと巨額の資金を投じている。曲線型のエッジを持つ有機ELスクリーンはスマートフォン「ギャラクシーノート9」など上位機種の大きな特徴だ。
検察によれば、このサプライヤー企業は5月から8月にかけて「3次元(3D)ラミネーション」技術や他の設備を中国のスクリーンメーカーに流出させ、サムスンとの機密保持契約に違反した。中国本土に追加の機器を船で運ぼうとした際に逮捕された。
サムスンディスプレーは発表文で、「同業他社との技術競争が激しくなる中、検察当局による捜査結果に衝撃」を受けたと表明。今後の裁判の行方を注視していくと説明した。検察によると、サムスンは開発費として6年間で約1500億ウォンを投じていた。(ブルームバーグ)
(2018/12/1 05:00)