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[ 自動車・輸送機 ]
(2018/12/5 10:30)
ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)のヘルベルト・ディース最高経営責任者(CEO)は4日、ホワイトハウスでのトランプ大統領との面会後、同社が米国内に第2の製造拠点を設けることを検討しており、フォード・モーターの製造工場を利用する可能性もあると述べた。
ディースCEOはBMWとダイムラーの経営首脳と共に、自動車関税導入を見送るようトランプ政権を説得するために大統領に面会した。
ディース氏は面会後に記者団に対し、「われわれは米国内で生産能力を増やす必要がある」と述べ、VWとアウディの両ブランドを製造する工場を活用する可能性があるとした上で、「米国のフォード工場を使って自社の車を生産する可能性がある」と語った。
米国の自動車貿易の対欧州連合(EU)赤字は650億ドル(約7兆3300億円)で、そのうち対ドイツが最大で300億ドルに達しており、ホワイトハウスはこの対独赤字の削減を目指している。自動車メーカー各社に米国内での生産を増やすよう繰り返し求めてきたトランプ大統領にとって、ゼネラル・モーターズ(GM)が先月発表した米国内の4工場閉鎖と数千人の人員削減計画は打撃となっている。
ホワイトハウスでの会合にはダイムラーのディーター・ツェッチェCEO、BMWのニコラス・ペーター最高財務責任者(CFO)も出席した。
事情に詳しい関係者によると、フォードとVWは自動運転車の共同開発に向け、フォードの自動運転技術のパートナーであるアルゴAIにVWが投資する可能性について協議してきた。また両社は電気自動車(EV)の生産と世界各地での製造施設の共有も検討している。両社は6月、商用車に重点を置く戦略連合を検討していると発表した。
ディースCEOは4日、「われわれの世界的な自動車アライアンス構築に向けたフォードとの協議・交渉はかなり進展した段階にあり、これが実現すれば米自動車業界の強化にもつながるだろう」と語った。
一方、フォードの広報担当ジェニファー・フレーク氏は、同社は幾つかの分野での協力でVWと話し合っているが、これ以上の詳細を明らかにするのは時期尚早だと述べた。(ブルームバーグ)
(2018/12/5 10:30)