【電子版】イーロン・マスク氏、ハイパーループ構想トンネルを公開 EVで軌道を直接走行

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  ボーリング社のホーソン試験トンネルの前で会見するイーロン・マスク氏（12月19日、カリフォルニア州ホーソーン＝ブルームバーグ）

トンネル事業に個人資金4000万ドル投資

　米起業家イーロン・マスク氏は18日、自身が率いるトンネル掘削会社ボーリングが建設した試験トンネルを公開した。同プロジェクトに自己資金4000万ドル（約45億円）投じたことも明らかにした。

　マスク氏はカリフォルニア州ホーソーンにあるスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ（スペースX）の本社の周辺で開いたイベントで、全長1マイル（約1.6キロメートル）のトンネルにつながる地中の大きな穴の前に立ち、正式なオープンを宣言。記者団に「信じられないほど深遠なことだ」と述べ、トンネルでの最初の乗車は「最高だった」と語った。

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  ガイドローラ―の役目となる補助車輪を装着したモデルX（12月19日、ブルームバーグ）

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  地下トンネルまでは専用エレベーターで降下（12月19日、ブルームバーグ）

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  トンネル走行に向かうモデルX。補助車輪システムの大きさがよくわかる（12月19日、ブルームバーグ）

EVに軌道走行用ガイドローラー

　除幕式の招待客には、ボーリング社にトンネル掘削を将来的に依頼する可能性のある他の都市の当局者やテスラ車のオーナーなども含まれた。

　トンネル内の輸送手段は当初、「スケート」と呼ぶ車両が想定されていたが、実際には当初の構想よりも単純化され、スケートの代わりにテスラ車を固定された軌道に走行させる形となった。この見直しによりテスラ車だけでなく、より多くの電気自動車（EV）が特殊車輪を搭載し、1台当たり200－300ドルの改良だけでトンネル内を走行できるようになるという。

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  トンネルは車1台分のスペースでかなり狭い。モデルXでもギリギリだ（12月19日、ブルームバーグ）

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  軌道からはみ出すことなく安定走行している（12月19日、ブルームバーグ）

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  トンネル走行には助手席にマスクCEOが乗車（12月19日、ブルームバーグ）

排ガス対策、トンネルは電動車専用に

　マスク氏はトンネル内にガスが充満する事態を回避するため使用車両はEVである必要があると付け加えた。マスク氏は自己資金4000万ドル前後をボーリングに投じたが、最終的にはこのベンチャーで投資回収できるとの見通しを示した。

　また、毎週最大20の地方自治体から同社技術に関する情報提供を求められており、輸送だけでなく水道や公益事業用のパイプとして使われる可能性があるとも説明した。（ブルームバーグ）