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[ 科学技術・大学 ]
(2018/12/22 07:00)
土星の輪は約3億年後に消滅すると予想されると、米航空宇宙局(NASA)や英レスター大などの研究チームが19日までに国際的な惑星科学誌「イカルス」に発表した。米ハワイ島のケック望遠鏡による観測に基づき、輪を構成する氷の粒子が雨のように土星の大気に落ち切ってしまうまでの期間を推定した。
昨年9月に土星の大気に突入して任務を終えた探査機「カッシーニ」の観測データを考慮すると、土星の輪は1億年以内に消滅する可能性もあるという。
研究チームによると、土星の輪の氷の粒子に太陽の紫外線が当たるなどして電気を帯びると、土星の磁場と重力の作用で大気上層部に落下する。この際、大気上層部の電離層との化学反応で生成した物質をケック望遠鏡で観測することができ、氷の粒子が落下するペースを間接的に推定した。
土星の輪が形成された時期をめぐっては、土星が誕生した約45億年前や、小惑星の衝突が激しかった約40億年前、小さな衛星同士が衝突・崩壊した約1億年前など、さまざまな説がある。(時事)
(2018/12/22 07:00)