[ オピニオン ]
(2019/1/14 05:00)
「保育園落ちた日本死ね」。3年ほど前に話題となったこの言葉、昨年の今ごろは小欄が当事者だった。当時1歳の息子が4月入園の募集に通らなかったのだ。
認定保育園への入園の可否は自治体が一括して決めている。希望の保育園名をいくつも記入し、万全を期して申し込んだが、全滅した。
共働きか否か、世帯収入、勤務先への通勤時間などさまざまな条件で親が“査定”され、点数の高い順に選ばれる仕組みだ。近年、自宅の周りにマンションの建設が相次ぎ、子育て世帯が急増。点数が同程度のライバルと例年にない激戦になったようだ。
全滅を知った夜、育児休業中の家人は大泣きした。「職場に復帰できない」「いつまでも決まらなければ仕事を辞めざるを得ない」と。その後、2次募集で保育園は決まったものの、勤務先とは反対方向の場所。車で片道30分かかり、送り迎えに少なからぬ負担を強いられている。
子育て環境のよさをアピールする自治体は多い。幼児教育・保育の無償化が2019年10月からスタートするものの、肝心の幼稚園と保育園が少なければあまり意味をなさない。待機児童対策を並行して進めないと、“仏作って魂入れず”ということになりかねない。
(2019/1/14 05:00)