[ 科学技術・大学 ]

【電子版】中国の月面探査機、正常に作動 月の南極に基地検討も

(2019/1/16 05:00)

  • 世界で初めて月の裏側に着陸した無人探査機「嫦娥4号」(1月11日、中国国家宇宙局のサイトから http://www.cnsa.gov.cn/)(クリックで拡大)

3Dプリント技術活用、欧米と共同建設も

【北京=時事】中国国家宇宙局は14日、月の南極付近に月面基地の建設を検討していることを明らかにした。建設方法として、月の土壌を原料に3Dプリント技術で建造する欧州宇宙機関(ESA)の構想を一例に挙げ、米国やロシア、欧州などとの共同建設にも前向きな姿勢を示した。今月3日に無人探査機「嫦娥(じょうが)4号」を世界で初めて月の裏側に着陸させたことを受けて同局の呉艶華副局長らが北京市内で記者会見を開き、基地建設構想について説明した。

  • 着陸船に設置された地形カメラ映像から作成された360度リングパノラマ画像(1月11日、中国国家宇宙局のサイトから http://www.cnsa.gov.cn/)(クリックで拡大)

 今後の月探査プロジェクトをめぐり、呉副局長は、表側のサンプルを持ち帰ることを任務とする5号を今年末ごろに打ち上げるほか、月の南極に6号、7号、8号を順次着陸させ、基地建設に必要な観測や技術検証を行うと表明。

 プロジェクトの呉偉仁総設計師は「南極は年間180日以上連続して太陽光が当たり、研究には得がたい環境だ」と述べ、南極が適地だとの考えを示した。

 呉副局長は嫦娥4号の総事業費について「1キロメートルの地下鉄を造るのとそう変わらない」と明言を避ける一方、「責任ある『宇宙大国』として人類社会の幸福に貢献する」と強調した。中国は、月以外でも2020年ごろに火星探査、22年ごろに宇宙ステーションの建設を計画している。

  • 嫦娥4号が撮影した月面探査車「玉兎2号」(1月11日、中国国家宇宙局のサイトから http://www.cnsa.gov.cn/)(クリックで拡大)

月面探査機、正常に作動

【北京=時事】中国国家宇宙局は、今月3日に世界で初めて月の裏側に着陸した中国の無人探査機「嫦娥(じょうが)4号」と、月面で切り離した探査車「玉兎(ぎょくと)2号」に搭載した機器が正常に作動することが確認され、「嫦娥4号の所期の任務は円満に成功した」と発表した。今後、地質や資源などの探査を本格化させる。

 11日午後5時(日本時間同6時)前には、地上から通信衛星「鵲橋」経由で指示を受けた嫦娥4号と玉兎2号が互いに写真を撮り合うことに成功。指令センターのモニターに、月面を背景に中国国旗を付けた探査機と探査車が映し出された。

(2019/1/16 05:00)

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