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[ 科学技術・大学 ]
(2019/2/14 15:30)
【ワシントン=時事】米航空宇宙局(NASA)は13日、当初計画を大きく上回る約15年にわたり火星表面の調査に使った無人探査車「オポチュニティー」の任務終了を発表した。昨年6月に巨大な砂嵐に巻き込まれて交信が途絶し、活動再開は不可能と判断した。
NASAによると、12日夜に最後の交信を試みたが、応答はなかった。砂嵐で太陽光が遮られて発電できなくなり、自動的に休眠状態に入ったとみられ、システムが損傷を受けた可能性もある。
NASAのブライデンスタイン長官は、声明で「オポチュニティーのような先駆的ミッションのおかげで、いつか宇宙飛行士が火星の地表を歩く日が来るだろう」と意義を強調した。
オポチュニティーはゴルフカートほどの大きさで、2004年1月に火星へ着陸。当初計画の90日間を超えて活動し、火星にかつて水が存在した痕跡など貴重なデータを地球に送り届けてきた。火星での総走行距離は約45キロメートル、地球に送信した画像は21万7000枚超に上る。
火星には12年に探査車「キュリオシティ」、昨年11月に内部構造を観測する探査機「インサイト」がそれぞれ着陸した。NASAの担当者は「後続の探査機がオポチュニティーの遺産を引き継ぐため、喪失感はきっと和らぐだろう」と話している。
(2019/2/14 15:30)