[ 政治・経済 ]
(2019/4/18 07:00)
【ブリュッセル=時事】欧州連合(EU)欧州委員会は17日、米航空機大手ボーイングへの米補助金に対する報復関税の対象候補として、約200億ドル(約2兆2400億円)相当の米国からの輸入品リストを公表した。5月末まで意見公募し、最終的な対象額は世界貿易機関(WTO)によって決められる。
品目は航空機や化学製品、冷凍水産物、ケチャップなど。EUが既にWTOに申請している対米報復関税の対象額は120億ドルだが、今回、幅広い候補をリストに盛り込んだ。
米国も先週、欧州航空機大手エアバスへのEU補助金に対し、約110億ドル相当のEU産品に報復関税を課す方針を表明。米欧が今後始める貿易交渉でも対立点となりそうだ。
マルムストローム欧州委員(通商担当)は声明で、「産業の公平な競争は守り続けなければならないが、報復はしたくない」とし、問題解決に向けた米国との協議には前向きな姿勢を示した。
WTOの紛争処理手続きの最終審に当たる上級委員会は今年3月、ボーイングへの米補助金が違法だと認定。昨年にはエアバスのEU補助金が不当だとする米国の主張も認めた。
(2019/4/18 07:00)