[ オピニオン ]
(2019/4/26 05:00)
経済同友会は26日に開く通常総会で、桜田謙悟SOMPOホールディングス社長の代表幹事就任を正式決定する。保険業界出身の財界首脳は、経済3団体では初めて。金融業界出身も、同友会の代表幹事だった故・中山素平氏(日本興業銀行頭取)以来となる。
小林喜光代表幹事(三菱ケミカルホールディングス会長)は、15人の副代表幹事の中から後任に桜田氏を選んだ理由として「時代感覚」と「若さ」を強調した。桜田氏はSOMPOの経営体制を刷新し、働き方改革でもトップランナーと目されている。また代表幹事就任時に63歳と財界首脳としては若く、その分、体力もある。次の時代のリーダーとして期待できる。
ただ若いということは、一面で財界における経験が豊富ではないことでもある。同友会での活動歴は短く、かかわった議論も多くはない。
小林代表幹事は、就任前から理論家として知られた。多くの課題に明確な判断を示し、その理由や背景を自分自身の言葉で説明する姿勢は、個性を求められる同友会のトップに適任だった。桜田氏の財界人としての個性は、まだ知られていない。また桜田氏が現職の社長であることも、財界活動との両立を難しくする恐れがある。
同友会は経営者個人の集まりという点で経済3団体の中でも特徴のある存在だ。過去にも武田薬品工業の長谷川閑史氏のように、社長と代表幹事を両立したケースがある。桜田新代表幹事に求められるのは、財界リーダーとして先人に負けない個性を発揮することに尽きる。
“ライバル”は手ごわい。経済3団体のうち経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)は、従来にない踏み込んだ発言と行動で、財閥均衡という古い経団連のイメージを一新しつつある。日本・東京商工会議所の三村明夫会頭(日本製鉄名誉会長)は明晰(めいせき)な発言で財界をリードするだけでなく、3期目を目指す長期政権で存在感を増している。桜田同友会には、既存の財界にはない新たな一面を切り拓いてもらいたい。
(2019/4/26 05:00)
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