[ 自動車・輸送機 ]

【電子版】米ボーイング、「迎え角」警報機能変更を説明せず サウスウエストの737MAXで

(2019/4/30 05:00)

  • 737MAXの操縦席(18年7月、英ファンボロ―=ブルームバーグ)

 米ボーイングは昨年10月に起きたインドネシアの格安航空会社ライオン航空機の墜落事故後にようやく、センサーの異常をパイロットに知らせる警告機能が737MAXに標準装備されていなかったことを米サウスウエスト航空に伝えた。同航空はMAXを34機と最も多く保有する。

 サウスウエスト航空は28日、737の前世代機と同様に警告灯が全てのMAXで作動すると同社とパイロットは考えていたと説明した。サウスウエスト航空パイロット組合のジョン・ウィークス委員長は「迎え角(AOA)不一致アラート」について、「機能させるためにプライマリー・フライト・ディスプレーに2つのAOAインジケーターが必要だとは説明されなかった」と話す。

  • 737MAXのAOA(迎角)センサー(出展:ボーイング)

 ボーイングがMAXに関して、ソフトウエアをアップデートすれば安全だと各航空会社や監督当局を説得しようとしている中、MAXを巡り新たな問題が浮上したことになる。

 同センサーや自動失速防止システム(MCAS)として知られる新たなソフトの極めて重要な詳細について、航空会社や当局にボーイングがどのように説明していたのかが既に調査対象になっている。米パイロット労組はMCASに関して乗務員マニュアルやトレーニング資料で説明されていなかったと憤りを示している。

 サウスウエストの広報担当者、ブランディー・キング氏はボーイングから伝えられるまで、MAXのプライマリー・フライト・ディスプレーにはAOAが機体のフライトコンピューターに矛盾するデータを送った際に発せられる警告も当然含まれると考えていたと述べた。

  • 737MAXのフライトデッキディスプレイ(出展:ボーイング)

 昨年10月に起きたライオン航空機の墜落事故後、ボーイングは不一致アラートについて、顧客が追加のAOA表示装置を購入して初めて機能するものだとサウスウエストに伝えた。前世代の737NGではこれは当てはまらなかった。

 ボーイングの広報担当、チャズ・ビッカーズ氏は電子メールで、「新しいソフトのアップデートでは2つの機能を分け、AOAの不一致アラートは単独の標準装備となり、AOAインジケーターは引き続き顧客が選択する追加オプションになる」と回答した。(ブルームバーグ)

(2019/4/30 05:00)

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

↓もっと見る

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン