[ ICT ]
(2019/6/13 05:00)
【ロサンゼルス=時事】世界最大級のゲーム見本市「E3」が11日、米ロサンゼルスで開幕した。各社のアピールは人気キャラクターや定番シリーズのソフトが主体だが、クラウド型のゲーム配信サービスなど業界の構造変化を示す出展も目立った。次世代の通信インフラをめぐる覇権争いも絡み、IT系の企業が存在感を高めている。
「どこでゲームをするか自由に決められる」。マイクロソフトは10月に試験配信を始めるクラウドゲームを一般に初公開した。高度な演算処理はインターネットを介した企業のサーバー側が担い、スマートフォンなどから接続して遊ぶ。幹部は、E3に先立つ発表会で手軽さを強調した。
高価な家庭用ゲーム機が不要となるため業界外からも挑戦者が現れた。IT大手グーグルはE3には出展していないが、クラウドゲームに参入する計画を公表しており、ソフトメーカーの対応が今後本格化しそうだ。ソフト大手スクウェア・エニックスは、新作「マーベルズ アベンジャーズ」を家庭用ゲーム機だけでなく、グーグルの新サービスにも配信すると発表した。
クラウドに注目が集まるのは、次世代通信規格「5G」の商用化で大容量のデータをわずかなタイムラグでやりとりできるようになるためだ。通信大手ベライゾン・コミュニケーションズは、拡張現実(AR)などゲームに関連する5G技術を出展した。
米交流サイト(SNS)大手フェイスブックは、傘下のオキュラスの仮想現実(VR)を体験できるゴーグル型端末のアピールを強化。E3の風景は着実に変わりつつある。
(2019/6/13 05:00)