【電子版】英車業界、「合意なき離脱」で1分ごとに680万円の打撃 JIT生産方式混乱

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  ホンダのスウィンドン工場から出荷される「シビック」（2月19日、スウィンドン＝ブルームバーグ）

【ロンドン＝時事】英自動車製造販売者協会（SMMT）は25日、英国が欧州連合（EU）から何の取り決めもないまま離脱する「合意なき離脱」になった場合、自動車業界は1分ごとに5万ポンド（約680万円）の打撃を受けるとの試算を明らかにした。

　マイク・ホーズ会長はロンドン市内で開かれた記者会見で「次期首相の最初の仕事は合意を得ることでなければならない。合意が必要だ。合意なき離脱は選択肢ではない」と繰り返し訴えた。

　試算によると、合意なき離脱による国境での物流の停滞などにより、在庫を極力持たない「ジャストインタイム（カンバン）方式」の生産は混乱。1分ごとに5万ポンド、1日当たりでは約7000万ポンドの費用増に直面するという。

　さらに、ホーズ会長は自動車が英最大の輸出品であると強調した上で、「もし自動車産業が失われれば、英国の輸出額はカナダ、メキシコ、ロシア、ベルギーよりも下になる」と指摘。日本のホンダ、米フォードが英工場閉鎖を決めたことを挙げ、雇用喪失への危機感もあらわにした。