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[ エレクトロニクス ]
(2019/6/26 12:30)
米テクノロジー企業は中国の華為技術(ファーウェイ)向け一部製品供給を再開した。ファーウェイはトランプ政権のブラックリストに掲載され、同社への製品供給は事実上禁止されたものの、これら米企業は供給を合法的に行う方法があるとの結論に至った。
米半導体メモリーメーカー最大手のマイクロン・テクノロジーは25日、同社の弁護士が輸出規制を検証した結果、一部部品の出荷を再開したと発表した。マイクロプロセッサー最大手のインテルもファーウェイへの販売を再開したと事情に詳しい関係者が明らかにした。他のサプライヤーの何社が同じ結論に達したかは不明。
米商務省は先月、米国製部品やソフトウエアの調達を実質禁止する「エンティティー・リスト」にファーウェイを追加した。トランプ政権は同社がスパイ活動で中国政府に協力し、米国にとって国家安全保障上の脅威となっていると主張している。ファーウェイはこれを否定している。
事情に詳しい別の関係者によると、米商務省とホワイトハウスの当局者らは米企業がファーウェイへの出荷を再開したことに不満を抱いている。ホワイトハウスにコメントを求めたがこれまでに返答はない。
マイクロンやインテルは輸出規制における、ある種の特例を活用している。クロス・リサーチのアナリスト、スティーブン・フォックス氏によれば、企業の本社が米国にあったとしても、海外子会社・事業の所有権を通じて自社の製品を海外製だと分類できる可能性がある。例えば、半導体の技術のうち、米国に由来する割合が25%未満の場合は、現行法の下では輸出禁止の対象外とされ得る。
フォックス氏は「これらの企業は数週間をかけてこれを見つけた」とし、「法律と規則を調べ、自社のビジネスに応用した」と説明した。
マイクロンは買収を通じて取得したものも含め、世界各地で事業を展開しており、シンガポールと日本、台湾に工場を持つ。インテルは中国とアイルランドに工場を保有、イスラエルに大型設計センターと生産施設がある。インテルはコメントを控えた。
商務省の輸出管理部門責任者をかつて務めたケビン・ウルフ氏は、マイクロンやインテルなどの企業はいわゆるデミニマス(最低限)ルールに基づいてファーウェイへの一部製品の出荷を合法的に継続できると指摘。
「米国に由来する技術を用いて海外で製造された物品がエンティティー・リストの禁止対象に該当するのは、その技術と物品が『国家安全保障』上の理由で規制されるセンシティブな品目である場合に限られる」とし、「しかし、それほどセンシティブでない米国由来の技術を用いて海外で作られた物品はエンティティー・リストの禁止対象に該当しない」と説明した。商務省によれば、デミニマスの基準は25%だ。(ブルームバーグ)
(2019/6/26 12:30)