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[ 自動車・輸送機 ]
(2019/7/3 11:00)
【ニューヨーク=時事】1970年代後半から80年代前半に破綻寸前だった米自動車大手クライスラー(現フィアット・クライスラー・オートモービルズ=FCA=)の再建に手腕を発揮したリー・アイアコッカ元会長が2日、パーキンソン病に伴う合併症のためロサンゼルスの自宅で死去した。94歳だった。米メディアが一斉に伝えた。
イタリア移民の子として生まれ、プリンストン大大学院修了後の46年に米フォード・モーター入社。アイアコッカ氏が開発を主導した低価格のスポーツカー「マスタング」は、64年の発売直後から若者の間で爆発的に売れた。この成功が評価され社長にまで上り詰めたが、創業家と対立して78年に解任された。
同年、ライバルのクライスラーに請われて社長として入社し、79年会長就任。議会を説得して政府の債務保証を取り付けた上で、自らの年俸を1ドルにカット。人員削減や小型車強化を断行し、石油危機の影響で販売不振にあえいでいたクライスラーの黒字化を果たした。この再生手腕によって「カリスマ経営者」として名をはせ、自伝「アイアコッカ」は世界的なベストセラーとなった。
80年代に激化した日米貿易摩擦では、日本車排斥運動の急先鋒(せんぽう)としても知られた。92年にクライスラーを退職した。
(2019/7/3 11:00)