[ オピニオン ]
(2019/7/4 05:00)
南紀白浜空港(和歌山県白浜町)が民営化してから3カ月が過ぎた。運営する南紀白浜エアポートは地元の明光バスやJR西日本和歌山支社と5月に包括連携協定を結ぶなど連携を加速させている。取り組みは空港周辺だけでなく、紀南地域全体の魅力アップにも広がっている。運営会社による一連の取り組みは赤字の空港を抱える他の地域からも注目を集めそうだ。
和歌山県営だった同空港はこれまで滑走路の維持管理などに多額の費用がかかり、年約3億円の赤字を県が負担してきた。
現在の同空港は1968年開港の旧空港を移設し、96年に開港した。2000メートル滑走路が1本あり、定期便は東京・羽田便が1日3往復する。旅客数は18年度が16万1570人だった。南紀白浜エアポートの事業計画では、同空港の旅客数を2028年に25万人、38年に30万人と大幅増の目標を掲げる。
欧米、豪州、ロシアの訪日外国人や首都圏の富裕層をターゲット顧客に設定した。ロシア・ウラジオストク国際空港の運営会社と戦略的協力に関する覚書を18年11月に結ぶなどすでに第一歩を踏み出した。今後は国内外からのチャーター便やビジネスジェットを誘致しつつ、羽田便の機材大型化や増便、成田便の新規就航を目指す。
空港へのアクセス向上をはじめ、旅客数を伸ばす基盤固めにも力を入れる。4月には同空港と和歌山県内の串本町、那智勝浦町、新宮市を結ぶ高速バスの運行が始まり、大阪や京都、東京への高速バスも空港に乗り入れた。一方、東京のオリエンタルコンサルタンツと業務提携を結び、土木施設の維持管理、観光・地域活性化、交通の3分野で連携した取り組みを始めた。
紀南地域の魅力を高めたり、同空港を地元の人や飛行機を利用しない観光客まで集う「にぎわい拠点」にする仕掛けづくりも進める。南紀白浜エアポートは「空港型地方創生」をうたい、地域活性化のモデルづくりを目指している。岡田信一郎社長は「(同空港や紀南地域は)伸びる余地がまだまだあり、やりがいが大きい」と強調する。
(2019/7/4 05:00)
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