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[ 科学技術・大学 ]
(2019/7/8 05:00)
東京大宇宙線研究所などが参加する日中共同研究チームは、中国・チベット自治区に建設した「チベット空気シャワー観測装置」で、超新星爆発の残骸「かに星雲」から飛来した観測史上最も高いエネルギーのガンマ線検出に成功したと発表した。論文は米物理学誌フィジカル・レビュー・レターズ電子版に掲載された。
地球に飛来した宇宙線やガンマ線は、大気中の原子核と衝突するなどして大量の2次粒子(空気シャワー)を生む。同装置はこの粒子を検出器で捉え、元となった宇宙線のエネルギーや方角を算出するが、高エネルギーのガンマ線は宇宙線にまぎれてしまい検出が難しかった。
同研究所の川田和正助教らは、ガンマ線由来の空気シャワーには素粒子ミューオンが少ないという特徴に着目。2014年、同装置の地下にミューオンの計測器を設け、宇宙線とガンマ線とを識別することに成功した。
(2019/7/8 05:00)