[ 政治・経済 ]
(2019/7/10 11:00)
フランス政府が環境対策として航空運賃に新税を課す計画にエールフランスが激しく反発している。低公害の航空機に投資する能力を妨げ、すでに高水準の仏市場での事業コストをさらに押し上げると主張した。
エールフランス-KLMの仏部門は9日、「この新税はエールフランスの競争力を大きく損ねる」とするコメントを発表。年6000万ユーロ(約73億円)余りの追加コストになるとの試算も示した。運航機更新の一環として環境への悪影響をより速やかに減らすために投資する能力を強化する必要性にも言及した。
エールフランス-KLMの株価は同日のパリ市場で一時5.4%安と、取引時間中としては2カ月余りで最大の下げとなった。終値は3%下落。
エールフランス-KLMが同社の筆頭株主である仏政府を批判したのは、ボルヌ交通担当相がフランス出発便の航空券に最大18ユーロの税金を課し、年1億8000万ユーロの税収を得る計画を発表した数時間後のことだった。新税の狙いは国庫への貢献とともに、気候変動対策としての鉄道など通勤・通学用輸送システムの財源確保だ。
同相はパリでの9日の記者会見で、「航空輸送への課税に関して仏国民は不当だと感じている」と述べ、国内および欧州路線のエコノミークラスの1.5ユーロから国際線のビジネスクラスに対する18ユーロまで、全ての航空会社を対象に新税を設ける方針を表明した。乗り継ぎ客やコルシカ(コルス)島および海外の仏領に向かう便には適用されないという。(ブルームバーグ)
(2019/7/10 11:00)