- トップ
- 化学・金属・繊維ニュース
- 記事詳細
[ 化学・金属・繊維 ]
(2019/9/3 11:30)
【ジャカルタ=ロイター時事】インドネシアは2日、ニッケル鉱石の輸出停止について、当初より2年前倒し、2020年1月1日から実施すると発表した。国内での資源加工拡大の取り組みを加速させる。
インドネシア・エネルギー・鉱物資源省のバンバン・ガトット・アリヨノ鉱物石炭総局長は、ニッケル鉱石の全てのグレードが輸出停止の対象になると説明。継続中の契約に関係なく、輸出業者に20年1月1日から出荷を停止するよう指示した。
禁輸に関する臆測と2日の発表を受け、ニッケル価格は押し上げられた。同日のロンドン金属取引所(LME)のニッケル3カ月物は3%高のトン当たり1万8470ドルに上昇。約5年ぶりの高値を付けた。
インドネシアは、世界最大のニッケル鉱石生産国。国際ニッケル研究会によると、同国のニッケル鉱石の供給量は昨年、世界全体の26%を占めた。輸出禁止により、世界最大のニッケル消費国である中国への供給に影響するとみられている。
アリヨノ氏は記者団に対し、「国内のニッケル確認埋蔵量は6億9800万トンだ。精錬施設への7.3年分の供給しかないことになる」と指摘した。現在稼働している国内製錬所は11カ所で、生産能力は2400万トンという。
インドネシア政府は22年までに、ニッケル製錬所を36カ所に増やし、総生産能力を8100万トンに引き上げることを目指している。
(2019/9/3 11:30)