(2019/11/20 05:00)
日本ロボット工業会は19日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で12月18―21日に開く「2019国際ロボット展」(日刊工業新聞社共催)の概要を発表した。23回目にあたる今回は、過去最多となる637社・団体(前回612社・団体)が出展。小間数も3060小間と前回2775小間を上回る、過去最大規模となる。海外の出展もスイス、タイ、モナコの3カ国が新たに参加し、16カ国(同13カ国)で最多。“ロボットがつなぐ人に優しい社会”をテーマに各社が出展する。
製造業向けが中心の「産業用ロボットゾーン」は2379小間で、前回より367小間増。従来の自動車や電子部品業界から、最近は食品・医薬品、物流、建設業界などに利用層が広がっており、各社が自慢のロボットを出展する。青海ホールに新設の「ロボットSIerゾーン」ではロボットシステムインテグレーター(SI)が展示を行う。
「サービスロボットゾーン」は551小間が出展し、前回より18小間増。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)ブースでの人工知能(AI)技術をテーマにした最新ロボット実演のほか、農林水産省が農業用ロボットの合同展示をする。
18日には「iREXロボットフォーラム2019」を開催、安川電機や川崎重工業、ファナック、不二越、ABB、KUKAのロボメーカー6社とSI企業が、ロボと人の共存で変わりつつある働く現場をテーマにパネル討論する。国際ロボット展は2年に1度開かれる、世界最大級のロボット展示会。
運営委員長を務める安川電機の小笠原浩社長は同日都内で開いた会見で、サービスロボットで中国や台湾の安価な製品が伸びている現状について、「市場の一部は、将来家電に分類されることになるだろう。各社それぞれの優位性を生かして自社のポジションを確立、その上でロボ市場全体が伸びていけば良い」と話した。
また、小笠原社長は、米中貿易摩擦や中国の景気減速などが短期的には影響を及ぼす可能性があるとした上で「企業の設備投資、人が足りない状況、高齢化進展などを考えると長期的に拡大していくのは間違いない」とし、ロボット市場の拡大に自信を示した。
(2019/11/20 05:00)