(2019/11/25 05:00)
日本の小惑星探査機「はやぶさ2」が「リュウグウ」から帰還の途についたのが13日。遠ざかる小惑星をカメラでとらえた後に姿勢を変え、本格加速の準備に入った。
1年半にわたり多くのミッションを成功させた。岩だらけの小惑星表面へのピンポイント着陸や、衝突体をぶつけた人工クレーター形成など、時々刻々と伝えられる情報を手に汗を握って見守った方も多いに違いない。ただ今後は2020年末予定の地球再突入まで大きなイベントはなさそう。ここらで視点を地上に戻すのも悪くない。
長野県佐久市の山中では、直径54メートルの大型パラボラアンテナ「美笹深宇宙探査用地上局」が完成間近。35年前に開所した旧アンテナの後継だ。「はやぶさ2」搭載カプセルの地球再突入でも、受信運用で大活躍してくれそう。
次期主力ロケット「H3」も20年度中の試験機打ち上げに向けて開発が最終段階にある。打ち上げ能力を高め、製造期間とコストを大幅に削減する画期的な設計。いずれ、もっと深宇宙への探査機にも使われるだろう。
どのプロジェクトも日本のメーカーが関わり、最先端技術を投入している。人類共通の財産となる宇宙解明へと続く地道な努力に敬意を表し、未来の成果を期待する。
(2019/11/25 05:00)